秋の草原の王者、カマキリの不思議な世界
鋭いカマを構えた堂々たる姿で、古くから多くの人々を魅了してきたカマキリ。日本各地の身近な環境に生息しており、昆虫観察の入門として最適な存在です。今回は、初心者の方でも楽しめるカマキリの見分け方や、観察・飼育のポイントを詳しく解説します。
カマキリを観察するのに適した場所と季節
観察に適した場所
カマキリは種類によって好む場所が異なります。代表的なオオカマキリやチョウセンカマキリは、日当たりの良い広々とした草地や河川敷、畑の周辺などでよく見られます。一方で、ハラビロカマキリは雑木林の入り口や庭の木々、コカマキリは地面に近い茂みや落ち葉の多い場所を好みます。基本的には、獲物となるバッタやハエなどの昆虫が多い場所を探すのがコツです。
見られる季節
カマキリの一生は春から始まります。四月から五月頃に卵から幼虫が孵化し、脱皮を繰り返しながら成長します。成虫の姿を最もよく見かけるのは、繁殖期を迎える八月下旬から十一月頃です。特に秋が深まると、産卵のために活発に動く大きなメスの姿を観察しやすくなります。冬の間は、枝や石の裏に産み付けられた卵のう(卵が入った泡状の塊)の状態で過ごします。
主なカマキリの種類と見分け方
オオカマキリとチョウセンカマキリ
日本で最も一般的で大きな種類がオオカマキリです。これに非常によく似ているのがチョウセンカマキリです。見分ける最大のポイントは、前脚(カマ)の付け根の間にある色の違いです。オオカマキリは薄い黄色をしているのに対し、チョウセンカマキリは鮮やかなオレンジ色や赤色をしています。また、後ろの羽の色も異なり、オオカマキリは全体的に黒っぽく、チョウセンカマキリは透明に近い色をしています。
ハラビロカマキリとコカマキリ
ハラビロカマキリはその名の通り、お腹の部分が横に広く、羽に白い斑点があるのが特徴です。樹上生活を好むため、庭木や公園の植え込みなどでよく見つかります。コカマキリは体長が五センチメートル前後とやや小ぶりで、体色は褐色(茶色)が一般的です。前脚の内側に黒と白の鮮やかな斑紋があるため、他の種類とすぐに見分けることができます。
カマキリに似ている種類
カマキリに似た姿を持つ昆虫として「ミズカマキリ」や「カマキリモドキ」が挙げられます。ミズカマキリは水中に生息するカメムシの仲間で、細長い体とカマのような前脚を持ちますが、お尻に長い呼吸管があるのが特徴です。カマキリモドキは全く別のグループの昆虫ですが、前脚がカマ状に進化しており、一見すると小さなカマキリのように見えます。これらは住む場所や体の構造が異なるため、よく観察すると違いが分かります。
観察と飼育を成功させるコツ
観察のコツ
カマキリは非常に目が良く、動くものに敏感です。急に手を近づけると威嚇したり、逃げたりしてしまいます。観察する際はゆっくりと近づき、指を立てずに手のひらを差し出すようにすると、自分から乗ってきてくれることもあります。ただし、噛まれたりカマで引っかかれたりすると痛いため、無理に掴まずに優しく接するように注意しましょう。
飼育のコツ
飼育には、カマキリの体長の三倍以上の高さがある飼育ケースが必要です。これは、脱皮の際に足場からぶら下がるためのスペースを確保するためです。ケース内には止まり木となる枝を立てかけ、霧吹きで毎日少しだけ壁面を濡らして飲み水を与えてください。餌は生きた昆虫を与えますが、食べ残しはケース内の衛生状態を悪くするため、早めに取り除きましょう。また、カマキリは共食いをする性質が強いため、必ず一匹ずつ個別のケースで飼育するのが鉄則です。
この記事に関連するアイテムをAmazonでチェック!
カマキリ 飼育ケース

コメントを残す